後世に伝えよう
日本の歴史文化遺産 伊豆古道「東浦路」


(H22.02.07文責 伊豆古道「東浦路」保存千年委員会 森篤 )

*江戸城石丁場遺跡の一部が平成28年3月に「国史跡」に指定されたことに伴いH28.12.18に一部修正

■伊豆東海岸を通る伊豆古道「東浦路」は、古くから主要な交通路として多くの人々が通った道です。また、時代を異にして何人もの歴史上の人物が走り抜け、文字通りその足跡を残した道でもあります。
■伊豆古道「東浦路」のあった道は、現在では自動車が通る幅広な舗装道路に姿を変えたり、誰も通らなくなって山の中に捨て置かれたりする区間が少なくありません。往時の面影を残す昔ながらの道は、部分的にいくつかの地域に残っているのみとなりました。

■その中でも、伊東市宇佐美地区の山中を通る区間は、約2.2キロメートルもの長きにわたって、往時の姿がそのまま残されています。幸い、これまで道の周辺も近年の開発からまぬがれ、豊かな自然が残されています。また、石の道標や、村内安全を願う大石碑など数百年前の歴史文化財も往時の姿そのままに路傍に残されています。この区間では、伊豆古道「東浦路」と周辺景観が一体となり、往時の人も見たであろう「歴史的風景」がそのまま保たれている貴重な空間となっています。風景は時代と共に変化するものではありますが、できる限り往時の姿を止めておくこともまた大事なことだと思います。
■この区間の伊豆古道「東浦路」は、主要生活道路としての役割は既に終えています。しかし、歴史的風景の中に身を置き、往時に思いを馳せることができる歴史の道「伊豆古道ハイキングコース」として、また森の中を通る「森林浴ハイキングコース」として現代に活用されています。伊豆古道「東浦路」は、千年近くもの間、多くの人々が歩き続けている道です。過去から現在に続く貴重な日本の歴史文化遺産としてその価値は計り知れません。

■しかし、このまま誰にも知られぬまま放置すれば、やがて道は朽ちてしまうことは明らかです。また、周辺は開発されてしまうかもしれません。伊豆古道「東浦路」と周辺景観を含めた「歴史的風景」を失うことは極めて大きな損失です。今のうちに保存のための必要な措置を講じなければなりません。それにはまず、これまで以上に多くの人に伊豆古道「東浦路」の存在を知っていただき、そして実際に道を歩いていただき、貴重な日本の歴史文化遺産への理解を一層深めていただくことが大事です。さらには、伊豆古道「東浦路」を文化財に指定し、合わせて周辺環境を保全する仕組みを考えることが歴史文化遺産保存のための効果的な方法の一つになるかもしれません。幸い、この区間の伊豆古道「東浦路」は、伊東市が管理する公道となっています。

■伊豆古道「東浦路」は、広大な範囲に現存する「江戸城石丁場遺跡」のある「周知の埋蔵文化財包蔵地」の真ん中を通っています。この「江戸城石丁場遺跡」の一部は平成28年3月に【国史跡】に指定されました。「江戸城石丁場遺跡」と「伊豆古道「東浦路」があるこの地域は、まさに、日本の歴史文化遺産の宝庫ということができます。多くの方のご理解とご協力を得て、これらの貴重な歴史文化遺産を後世に伝えていくことが大事であると考えています。